自粛期間2ヶ月を振り返って

*ものすごい長文になってしまいました。
フリーグループセッションで実施していた内容は最後に記載があります。

もう遠い過去のことのような、今もまだそのさなかにいるような、ずっと不思議な感覚のままでいます。

昨日と同じ今日が、今日と同じ明日が連綿と続いて1年後、5年後、もっと遠い未来のことをまるで明日のことのように思い描ける環境がどれほど恵まれていたのかを思い知らされました。

もっと早くから準備・警戒されていた方もいるとは思いますが、わかりやすい区切り目として2020年2月27日に全国の小中高を対象に3月2日から休校の要請が出されました。

その後4月7日に緊急事態宣言が発出され、5月25日に解除されるまで可能な限り自宅で過ごすことが求められました。

それからさらに1ヶ月。クライミングジムは徐々に活気を取り戻し、世の中も活動的になっているように感じます。一方でマスクを手放すことができなかったり、連日国内、国外での感染者数の報告がありちょっとでも気を抜いたらすぐにもとに戻ってしまうような、あの期間から目を背けることができない日々です。

とはいえいつまでも恐れているばかりでは身動きが取れません。必要な防衛は「ここまで」と各々が判断して動き出す時です。

今を一区切りとして一度ここまでの記録を残しておこうと思います。

当時も今も、今回の件で一番あおりを食っているのは子どもたちだと思っています。

自分自身の判断ではなく、半ば強制的に自宅待機を余儀なくされ、権利を奪われ、それは皆の命を守る判断であったと信じていますが、物事を上手に流すすべを身に着けている大人に比べ、全てを真正面から受け止めざるを得ない発達途上の彼ら、彼女らに大人の理屈ですべてを押し付けてしまった。

本当のダメージは今この瞬間ではなく、この先半年後、1年後に感じられるのだと思います。肉体的なもの以上に精神的なダメージは深く大きく根を張ります。

「精神にダメージを負っている」ことに本人が気がつくことはできません。反応そのものが傷を負った状態から生まれてくるものだからです。なぜかやる気が出ない。なぜか集中できない。なぜ?なぜ?

でもそれはあなたのせいじゃない。あなたの周りの人のせいじゃない。

今の自分を受け止めること。過去と比べてどう、ではなく今。
すでに変化は起きてしまっています。

”今”を直視した上で未来を描きましょう。
望むと望まざると変化は起きてしまった。

過去に戻る事はできないけれど、進む未来を望む方向に進めていくことは今できることです。

どうか、「そんなこともあったね」と笑える日になりますように。

小中高が休校となり、さらに基本的に自宅待機となった3月頭。
ジムにいくどころか、思うままに外に出て遊ぶ事もままならない日々。

せめて自分の手の届く範囲は、と自宅でのトレーニングメニューの無料提供を決めました。

キッズ向け自宅トレーニングプランの無償提供
私は今回の騒動で最も被害を被っているのは突如学校が休みになった上に基本的に家から出ないように、と言われている子供たちだと思っています。 ...

コンタクトしてきてくれた数名の方の現状把握とメニュー作成を行いました。
1ヶ月かけて1回できるかどうか、というようなハードな内容も含めてメニューを作成したつもりでしたが2週間ほどで余裕が出てきたのでより難しい内容がほしい、という話もあったり、しっかりと取り組んでくれました。

この成果はきっとこの夏が終わった頃には感じられるようになっているのではないかと思います。

状況は好転せず、4月に入ってほどなく緊急事態宣言が発出されました。

この時ばかりは情けない話ですが自分もひどい緊張状態を過ごしていたようでどっと疲れが出て数日寝込んでしまいました。特にそれっぽい症状は無かったのですが、もしかして自分も感染したかもしれない、と思うと色々な事が頭を駆け巡って気持ち的にもダウンしてしまい自宅でも家族からなるべく隔離して数日過ごしました。

2日まるまる寝込んだのなんてここ何年も記憶に無いですが、特に症状も無いし、精神的な疲労が出ているだけだろうと気がついてからはすぐに回復しました。

これがこの病気の一番恐ろしいところだと思います。かかっているかもしれない、かかっていないかもしれない。周りに迷惑をかけてしまう、もしかしたら人が死ぬきっかけを作ってしまうかもしれない。

そう思ったら身動きが取れなくなってしまいますね。

こうした非常事態ではインターネットは本当に無力で、異常な事ばかりがフォーカスされ、正しい情報、安心させてくれるような情報はとても小さな小さな声になってしまいます。これが皆善意で行われるというのが本当に恐ろしい事です。

ファクトフルネスで紹介されていましたが、皆ドラマチックな展開を内心望んでしまうのでしょう。ドキドキするような情報ばかりが目に映るようになる。そうした時は思い切ってSNSやテレビのニュースから距離を取り、自分の手元を見つめてみると良いと思います。

話がそれてしまったのでもとに戻ります。

保育園も休園が決まり、4月半ばまではまわりのことをする余裕がどんどんなくなり、新しい日常の中で自分が生きていく事で精一杯でした。自分がこの状況で何ができるのか、考える日々でもありました。

3月に行ったメニュー提供の期間も延長して受け付けたりもしましたが、この状況では未来を夢見て努力する事そのものが難しい。

期限を切ることはトレーニングの上ではとても大切ですが、それは未来が約束されている時の話です。未来がどうなるかわからない時にプラスの方向を向いて”頑張る”ことはとても困難です。

解決される未来予想が当たれば良いですが、その予想が外れた時のダメージの事を考えました。1ヶ月必死で必死で頑張って、5月にはきっと!6月にはきっと!という思いが果たされなかった時。

きっと僕だったらそこからもう一度頑張る気力は失ってしまう。

それならばどうしたら良いかと思った時に日常を作る事を考えました。

最もまずいのはこの分断されている状況。皆が皆疑心暗鬼に陥って、世界を改善しようとする隣人の努力を信じられない状況。

なにはともあれ顔を合わせること。
そして一定のリズムを作ること。

皆が皆、健やかな精神を持って、肉体の衰えを最低限に押さえて先に進むために。

それは僕にとっても必要な事でありました。
僕が健やかに未来を向いて歩いていくために仲間が必要だった。

そこで、ZOOMを活用して無料で皆で集まって運動する時間を作る事にしました。

リモートレッスンのお知らせ
5月6日までのレッスン、合宿や講習などのイベント含めすべて中止といたします。 個別にご連絡はしておりましたがこうしてHPでの告知が遅く...

一人では頑張れないきついトレーニングもみんなでやれば楽しめる、みんなでやれば追い込める。最初はそんな思いでした。

実はこうして皆で集まる事がものすごく精神的な負担を取り除いてくれる事に気がついたのは実際にこのセッションを行ってからでした。

皆で集まる事、決まった時間に決まった行動をすること、これは精神を安定させるのにとても効果的です。知識としては持っていましたが、これが実際にこれほど効果的だと感じられたのはやはり自分も相当精神的に追い込まれていたことの何よりの証拠でしょう。

夏休みに毎朝起きてラジオ体操をする(僕はやったことがなかったのですが)というのは生活リズムが乱れがちな夏休みを乗り切るためにとても大切な事なんでしょうね。

こちらで日常のベースが作れたので、インスタ上ではみんなで競うようなチャレンジ性をもった事をはじめました。

「目指せ未来の #ヒーローチャレンジ」と銘打って。日々自分の記録に挑戦!多くの参加者がインスタに自分の挑戦をアップしてくれて楽しんでくれました。

5月、いよいよ自粛が長期化してきました。まわりが6月まで頑張ろう!という中でそこに過度な期待をするのは危ないのではないか、と及び腰の自分がいました。

もちろん日常が戻ってきてほしいとは思っていたのですが、前述したように「リミットを切って頑張る」というのは気持ちが切れるリスクを抱える、というか僕は多分そこで集中力が切れる、のでこの先もずっと続けていけるような生活の構築をしようと言う方向にさらに舵を切りました。

フリーセッションは継続して実施。
さらに、これから先強化し続けられる肉体を手に入れるべく、アドバンスクラスという有料のトレーニングクラスをはじめました。

こちらの参加者は普段スクールに通ってくれている方がほとんどだったのですが、6月に入ってスクール再開したら以前より明らかに登りが力強くなっていて、筋トレがいかに大切か、という思いを強くしています。

ちょっと宣伝になりますが、こちらのクラスは少し形を変えて7月にも開催予定です。ぜひよろしくおねがいします。クライミングのベースアップにとても効果的です。

7月レッスンスケジュール
7月のスケジュールを決定しました。 暑い暑い夏が始まります。体調には気をつけつつ、体動かして心も体も喜ばせて行きましょう(^^)...

フリーセッションの方もさらに一歩すすめるべく協力者を募りました。友人のつてをたどってトライアスロンのプロアスリートである「エース栗原 正明(くりはら まさあき)」さんに金曜日のセッションを受け持っていただく事になりました。

また、ヒデスクの伊東秀和さんに師事し一緒にトレーニングをしていた仲間ということでオリンピック日本代表の楢崎智亜選手に子どもたち向けの応援メッセージをダメ元でお願いしたところ快諾していただきました。

みんな本当にびっくりしてやる気出ただろうなー!ありがとうございました。

この協力者を募る、周りに相談する事ができるようになったというのは自分にとってものすごい大きな変化でした。これについてはまた別途書きたいと思います。

インスタ上の活動も少し変化させました。
4月中は自分と戦おう!というつもりで行っていたのですが「#リモトレバトル」という名前に変えてより対戦要素を前面に出しての企画にしました。

ただ、人と対戦だと必死になってしまうと思ったので、怪我を防ぐために日々内容、部位を変えて行いました。(どんなことをやったかは最後にまとめます)

これもたくさんの人が参加してくれたり、興味を持ってくれて楽しんでもらえたかな、と思っています。

誰の記録を見ることもなく、自分の限界だと思う部分を超えてさらにアクセルを踏んでいく、また超えた誰かに競争心を燃やしてその先を目指すことができるアスリート魂が色濃く根付く皆を見て安心したりもしました。

自分的に面白かったのは「ハンドレイズグーパー」かな。自宅で一歩も動かずに肉体が自分が思う限界を遥かに超えて動く経験ができるのでオススメです。個人差ありますが、200回超えたあとはもう多分何回でもできます。やったあとは興奮物質が出まくっていてやばかった(笑

この企画は5月後半に「#リモトレバトルトーナメント」という名前で大会を実施するに至りました。

リモトレバトル トーナメント開催!!
5月に入ってから2週間 「#リモトレバトル」 という名前で勝負をしてきました。 今週はそれをさらに1歩進めて 「#リモト...

平日5日間を使って皆が好きな時にチャレンジして回数の勝負を行う「予選」と土曜日開催、参加者も応援の人も顔を合わせてリアルタイムにオンラインでつながって戦う「本戦」に分けての本格的な大会です。

こちらも予選本戦ともに想像以上にたくさんの人が日々楽しく競ってくれて、本戦でも熱い熱い火花を散らして、応援して、本当に楽しい企画になりました。

勝利を喜び、敗北の苦さを噛みしめ、選手の頑張りに熱狂しする。

生きるという事は日々競争に晒され、比べられ、序列がつくという事。

そんな「日常」を思い出させてくれるような大会でした。

改めてインターネットが秘める大きな大きな力を感じる大会だったので今後もぜひ企画していきたいと思っています。

ものすごい長い文章になってしまった。
ひとまずここらで一区切り。

色々な事に揺さぶられ続けた半年が終わり、もう来週には2020年の後半の最初の1ヶ月がスタートします。

今、この時がスタート地点。未来を見据えて新しい世界を切り開いていきましょう。

リモトレバトルで行った種目は以下のとおりです。
0週目(まだただのデイリーチャレンジだった頃) 順手懸垂回数チャレンジ!
1週目は指立て伏せ!&逆手懸垂

#リモトレバトル で行った種目
day1 サイドプランクインサイドレッグレイズ 何回できるか
day2 ハンドレイズグーパー 何回できるか
day3 ダイアゴナルプランク 何秒耐えられるか
day4 がばぶら下がり耐久勝負
土日はお休み
day5 腕立て伏せ 1分耐久
day6 リバースプランクトウタッチ 1分耐久
day7 ツイストクランチ 1分耐久
day8 プランクプッシュアップ 1分耐久

#リモトレバトルトーナメント で行った種目
第1回 「リバースプランクトウタッチ」1分間耐久勝負
第2回 「プランクショルダータッチandプッシュ」1分間耐久勝負

フリーグループセッションで実施していた種目


ラジオ体操
姿勢チェック
骨盤前後運動
ドローインを15秒キープ
ニートゥエルボー ストレート
ニートゥエルボー クロス
カーフレイズ(爪先立ち)
乗り込み片足カーフレイズ
スクワット
居合切り
膝蹴り
正拳突き

500mlペットボトル2本を重りとして使う
トライセップ
アームカール
ショルダープッシュ
サイドレイズ
ローイング

床で
リバースプランク
リバースプランクトゥプッシュ
スパイダープッシュ
クロススパイダー
マウンテンクライマー

呼吸整える

瞑想